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きれいで美しい口元は身だしなみのひとつ
こんにちは。
熊本市中央区にある新屋敷津田歯科こども歯科 歯科衛生士の山下です。
人と人とがコミュニケーションを取るとき、まず顔全体を見て、次に相手の目を見て、口元に視線を移すと言われているのをご存知ですか?
口元の美しさは重要です。唇の色調、前歯の形と色調、健康的な美しい歯と笑顔、これらは歯科で作り上げていくものだと考えます。
では、審美で大切にされる基準とは何でしょうか。
世界的・自然的にもっとも美しい比率は黄金比だと認識されています。黄金比とは1:1.618の比率で、歴史的な彫刻や建造物、絵画などに世界中で広く応用されているものです。歯列にもこのバランスを取り入れ、審美的なバランスを立てていくというのが一般的です。
また、日本には古くから存在する、白銀比(1:1.414)という比率が存在します。大和比とも呼ばれ、古くから現在に至るまでさまざまな建造物・創作物で応用されています。そのため、日本人には白銀比が好まれます。
これらを基準にして審美を作り上げていきます。
また、歯ばかりではなく、「顔全体→口唇との関係→口腔内全体→一歯」と大きいところから観察していくことが大切です。
審美歯科の場合、歯列や噛み合わせを整える矯正、歯の色調を変えるホワイトニング、歯の上に冠を被せてきれいにする補綴、などがあります。
今回は歯の被せものについて、患者様からも質問の多い、どんな基準で、どんなものを選択すれば良いのかについてお答えします。
被せものを作製するにあたって必要なものは、先ほどの比率に加えて、色調、厚み、被せものの材料です。これらを患者様に合ったものを選択し作製していきます。
・比率
日本人の歯のサイズの比率は白銀比になっているため、解剖学的比率だけでなく、視覚的な比率、「他者が患者様の正面から口元を見たときに審美的なバランスがどうなっているか」をもっとも大切にする必要があります。
そのため、鏡で見たときにお顔全体とのバランスがとれているかに注目すると良いでしょう。
・歯の色
日本人の歯の色味は赤茶系、赤灰系が多いといわれています。色調の見本(シェードガイド)を見ながらご自分の歯と近いものを選択すると良いでしょう。被せものを作る際には、色調の確認を必ず行い、納得のいく色味に近づけることが重要です。
・材質
被せものを作る材料には、セラミックと呼ばれる陶材、お皿など陶器の材料として使われる材質や金属冠などさまざまです。
審美的に一番綺麗だと言われているものはセラミックの被せものです。天然歯と同等の色調を再現できるので、被せているのわかりにくいです。
それぞれの被せものの特徴について見ていきましょう。
➀オールセラミック
・透明度が高く、天然歯と見分けがつかないくらい美しい
・変色しない
・金属アレルギーが生じない材料であるため身体への安全性が高い
・歯ぎしりする人や噛む力が強すぎる人では割れる場合がある
・自費治療となる
②ゴールド冠
・ゴールドはアレルギーになりにくい
・適合が良い
・金属が入っているのが人にわかる
・自費治療となる
③ジルコニアクラウン
・金属アレルギーが生じない材料
・変色しない
・金属よりも硬く丈夫なのでブリッジでも安心
・歯を削る量が少なくてすむ場合がある
・身体への安全性が高い
・とても硬いため噛み合わせのチェックが必要
・色調が単調
・複雑な形態は作れない
・自費治療となる
④金属冠
・保険適用
・変形するため虫歯の再発確率が上がる
・金属アレルギーを起こす金属が含まれる
・歯ぐきが黒くなる
⑤前装冠
・保険適用
・プラスチックが数年で変色したり、歯磨きで削れていく場合がある
・金属が変形するためむし歯になりやすい
・金属アレルギーを起こす金属が含まれる
・歯ぐきが黒くなる
このようにどの被せものにも、メリット・デメリットが存在します。
オールセラミックやジルコニアなど審美性が高いものは見た目だけでなく、機能面においてもすぐれています。ですが、保険適用外という一面もありますので、何が自分の要望と合致しているか、何を重視したいかを明確にして選ぶとよりよいお口を作っていけるでしょう。何かあればいつでもご相談ください。